著者： Taiki Maeda
翻訳：Deep Tide TechFlow
市場が多くの人が「サイクル終盤」と呼ぶ段階に入る中、無視できないリスクが高まっていると私は考えています。このような局面では、ポートフォリオ全体を見直し、あらゆる市場状況に対応できる「全天候型ポートフォリオ」を構築することが特に重要です。このようなポートフォリオは、市場の下落からあなたを守るだけでなく、非対称的なチャンスによるリターンも捉えることができます。
謙虚なエアドロップハンターとして、私は2つの最良戦略を組み合わせ、読者の好みに応じて改良を重ねた投資フレームワークを開発しました。
これが「Humble Farmer Portfolio」フレームワークです（各資産の配分比率を含む）：
-
ステーブルコイン運用によるイールドファーミング（30%-60%）
-
優良暗号資産の現物保有（30%-60%）
-
新型パーペチュアルDEXでのショート取引によるエアドロップハンティング（1%-10%）
ステーブルコイン運用によるイールドファーミング（30%-60%）
ステーブルコインの利回りは弱気相場では圧縮されがちですが、強気相場では非常に優れたパフォーマンスを発揮します。ある賢いエアドロップハンターは私にこう言いました：「DeFiでイールドファーミングをしているなら、実質的にアルトコインの強気を見込んでいることになる。なぜなら良い利回りはアルトコインの強気相場でしか得られないからだ。」ステーブルコインファーマーとしては、（プロジェクトのrug pullに遭わない限り）損失の可能性は非常に低いです。なぜなら、あなたは盲目的にトークンを買う資金に対してトークンを売却しているからです。
健全な割合のステーブルコインを保有することで、強気相場では15%以上のリターンを得られるだけでなく、「睡眠調整後リターン」（市場のボラティリティによる不安を軽減すること）も向上します。ステーブルコイン保有の主なメリットは、市場が弱気相場に入った際に、暗号資産を安値で購入できる点です。
優良暗号資産の現物保有（30%-60%）
多くの人が「サイクル終焉論」を唱え、bitcoinのような強い資産は株式市場のように継続的に上昇できると考えています。暗号資産分野にも、Binance Coin（BNB）のような真の複利成長型資産が登場しており、短期売買より長期保有に適しています。しかし、私たちは「今回も例外ではない」こと、つまりこれらすべてのコインが弱気相場で少なくとも50%下落する可能性があるという現実も受け入れなければなりません。
したがって、謙虚なエアドロップハンターとして、私たちは自我を捨て、市場を長期的にアウトパフォームできると信じる資産を選び、ドローダウンも受け入れる必要があります。そのためには、適切なデューデリジェンスとリサーチを行い、信念に基づく投資ロジックを構築することが必要です。これはまさにあなたの得意分野でしょう。
新型パーペチュアルDEXでのショート取引によるエアドロップハンティング（1%-10%）
流動性市場で優位性を見つけるのは、時間が経つにつれてますます難しくなっています。ここ数年で私が気づいたのは、私たちリテールユーザーの強みは新しいことに挑戦し、エアドロップで報酬を得られる点です。アルトコインで争うユーザーよりも、Hyperliquidのエアドロップで経済的自由を手にした人はどれだけいるでしょうか？
私はかつて、Hyperliquidが最後の大規模パーペチュアルDEXエアドロップだと思っていました。しかし今は、Lighterも良いパフォーマンスを見せると考えています。Lighterの後、人々は「これがパーペチュアル分野最後の大型エアドロップだ、新しいプロジェクトはやる価値がない」と言うかもしれません。
私はこの見方に異議を唱えます。なぜなら、今でもユーザーがほとんどいないのに時価総額が非常に高い他のレイヤー1・レイヤー2ブロックチェーンプロジェクトが多数存在するからです。パーペチュアルが暗号資産分野のキラーアプリなら、価値あるパーペチュアルDEXトークンが複数存在してもおかしくありません。毎年1～2件の大規模エアドロップが発生する可能性も、あなたが思うより高いかもしれません。
では、どうやってエアドロップハンティングをすればいいのでしょうか？どこでやればいいのでしょうか？
エアドロップハンティング戦略
「ただパーペチュアル取引で利益を出せばいいだけだ。」確かにそうですが、残念ながら大多数の人はパーペチュアル取引で損をします。したがって、リスクエクスポージャーを縮小し、ポートフォリオ全体が恩恵を受ける包括的な戦略を立てるのが最善です。
私はある戦略を試し、さまざまな成功を収めました。それは、非常に小さなポジションで時価総額の高いトークンをショートしつつ、ポジティブファンディング（positive funding）を得るというものです。
この戦略の目的は、『The Big Short』のようにトークンのショートで巨額の利益を狙うことではなく、エアドロップポイントを蓄積しつつ、ポートフォリオの他の部分を補完することです。パーペチュアルDEXは通常、取引量よりも未決済建玉（Open Interest）に報酬を与えます：
すでに現物ポジションでロングエクスポージャーを持っている場合、いくつかショートポジションを持つことでポートフォリオ全体が恩恵を受けるかもしれません。特に多くのパーペチュアルトークンのファンディングレートがプラス（ショートで利益が出る）である場合です。個人的には、数ヶ月逆張りしても気にならないトークンに対して少額のショートポジションを持ちます。もしこれらのトークンが50%上昇した場合、逆張りポジションをさらに増やすこともできます。
市場が上昇すれば、現物ポジションで得られる利益はショートの損失を上回ります。市場がさらに上昇すれば、エアドロップで得られるトークンが将来高い価値を持つかもしれません。市場が弱気相場に入れば、少なくとも下落資産のショートで報酬を得られます（エアドロップの価値は低くなるかもしれませんが）。
暗号資産分野には数十億ドル規模の「エアプロジェクト」が存在するとよく揶揄されます……それならショートして稼いでみてはどうでしょう？私の経験では、時価総額の高いトークンをショートし、価格が上昇した際にポジションを増やすことで一定の成功を収めました。例えば、10万ドルのポートフォリオがある場合、まず1倍レバレッジで500ドルのショートから始め、価格上昇時に段階的に増やすことができます。
これは最も刺激的な運用ではないかもしれません……しかし、エアドロップトークンがあなたのウォレットに入るまでは。例えば、私は2023年4月にHyperliquidのクローズドベータ版で少額取引を行い、HLPを預けて10万ドル以上のエアドロップ報酬を得ました。また、2025年3月から4月にかけてLighterで数回の失敗トレードをしましたが、多くのポイントを蓄積できました（幸運にも大口トレーダーを紹介できました）。
新しいパーペチュアルDEXでエアドロップハンティングをするたびに、もっと早く始めておけばよかったと後悔します。早く動くことで本当にリターンが得られる――そこには何らかのシグナルが隠れているのかもしれません。
まとめとリスク
明らかなリスクとしては、最終的に100倍に上昇するトークンをショートしてしまうことや、パーペチュアルDEXでエアドロップハンティングをしたもののプロジェクトが最終的にTGE（トークン生成イベント）に至らないことなどが挙げられます。しかし、ポジションサイズの調整や正しいトークン・プラットフォームの選択によって、これらのリスクを軽減できます。私は「絶対にトークンをロングしない」と言っているわけではありませんが、「小規模ショート」戦略はデフォルトの選択肢として採用する価値があると考えています。
