ビットコインはブル・フラッグの中で保ち合いか 10万5000ドル目前の踊り場に注目集まる
ビットコイン（BTC）の価格は今週、主に10万3000〜10万5000ドルのレンジで推移しており、多くのアナリストはここを抵抗ゾーンと見なしているが、ブル・フラッグ内での保ち合いに過ぎないとの見方も浮上している。
ブル・フラッグとは、急騰後に一時的な横ばいが続くチャートパターンで、旗（フラッグ）の上辺にあたるトレンドラインを上抜けると、再び上昇トレンドが加速する特徴を持つ。
今回の保ち合いは、買い手と売り手の迷いを反映しているとも言えるが、最大の要因は買い圧力の欠如だとする分析もある。 TRDR.io のチャートによれば、ビットコインが7万4400ドルから10万5900ドルへ急騰した際には、信用取引市場で大規模なロスカットが発生し、同時にスポット市場でも力強い出来高が伴った。この動きは、複数日にわたって現物ビットコイン上場投資信託（ETF）への10億ドル規模の資金流入があった時期と重なる。
この3週間の間に、米国および海外の複数企業がビットコイン購入計画や企業財務への組み入れを発表している。チャート上の累積出来高デルタ（CVD）および建玉の動向を見ても、レンジ上限付近ではトレーダーが売り越し、新規のレバレッジロングや大型スポットポジションの構築は限定的である一方、レンジ下限（ブル・フラッグのサポート）に近づくと現物での買い注文が成立している。ただし、新規のロングポジションは依然として控えめな状況だ。
今回の値動きは、4月8日以降に始まった約40％の反発局面のあとに見られる自然な調整フェーズといえる。レンジ上限付近での先物市場における利益確定が上昇モメンタムを一時的に弱めているのも想定内だ。
オンチェーン分析企業グラスノードによると、短期保有者の含み益・損失データもこの見方を裏付けている。チャート上では、短期トレーダーによる利益確定が進んでいることが示されているが、統計的な想定を大きく超える水準ではなく、さらなる上昇余地は残されているという。
「最近、短期保有者の実現利益は90日平均を約+3σ上回っており、利益確定が強まっている。ただし過去の強気局面、とくに史上最高値を目指す上昇時には+5σ以上まで達した例も多く、より強力な利益確定圧力がなければ、上昇トレンドは継続しうる」
ビットコインは一時的な下押しを経て再上昇へ？
多くの売り注文がすでに吸収されたと見られる中、一部アナリストは、短期的にビットコインが10万〜9万ドル付近まで調整し、サポートの強度を試す可能性があると指摘する。
マーケット分析を手がける マテリアル・インディケーターズ は、「重大な材料がなければ、10万ドルのサポートを試す展開は現実的なシナリオ」とした上で、「ファイアチャートの板情報では、売り注文が積み上がる一方、買い注文は下方に移動しており、サポートテストの準備が進んでいる」と分析している。
アナリストのダーン・クリプト・トレード氏は、「価格に影響を与えうる強気・弱気両方の材料は出尽くした」と Xで投稿 。ビットコイン価格が高値圏で停滞する中でも、米中貿易合意を受けて株式市場が上昇を続けていることに注目している。
同氏は「9万ドルが現物ポジションにおける長期的な損切りライン」と述べた上で、「価格が9万ドルを上回る限りは慎重ながらも強気」としている。ただし、それも米国株の短期的な動向次第だという。
「もし株が調整に入り、どこかで安値を更新するような展開があれば、ビットコインにも短期的な急落が起きても不思議ではない。多くの株が1カ月で30〜50％も上昇していることを考えれば、調整が入るのは不自然なことではないだろう」
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。
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