ビットコイン（BTC）は、米コインベースにおいて11万0788.98ドルの史上最高値を 記録し 、年初からの上昇率は17.5％に達した。これは、直近の最高値10万9458ドルを上回るもので、今年1月20日に付けた高値を初めて明確に超えたことになる。

ビットコインは過去24時間で約3％上昇。4月7日にトランプ米大統領が打ち出した大規模な関税政策により世界市場が混乱し、ビットコインが7万5000ドルまで下落して以降、約47％の値上がりとなっている。

今回の急騰は、5月21日の20年債入札が不調に終わり、米国債利回りが急騰したことによって株式市場が動揺する中で起きた。S&P500は30分で80ポイント下落し、ナスダックやダウ平均も同様に下落。米株式主要指数は軒並み下落した。

ビットコインが史上最高値を更新 11万ドル突破で2025年の年初来リターンは17％に image 0 ビットコイン 週足チャート Source: TradingView

オーストラリアの仮想通貨取引所BTCマーケッツのキャロライン・ボウラーCEOはコインテレグラフへのコメントで、「今回の高値更新は、過去のような投機的熱狂ではなく、世界的に成熟したデジタル資産への関心を反映している」と述べた。

「現在の需要は、機関投資家向けのインフラ整備や規制の明確化によって支えられている。投資家心理は明確に変化し、より長期的・機関投資家型のポートフォリオ配分が進んでいる」と続けた。

一方、 Googleトレンド によると、ビットコインに関する検索量は2024年11月以降低下し続けており、仮想通貨市場の弱気相場に見られる水準にまで落ち込んでいる。これにより、個人投資家の関心が依然として低調であることが示唆される。

市場心理を示す 恐怖強欲指数 は、5月22日時点で100点中72点となっており、「強欲」領域に位置している。この指数は1月22日、トランプ大統領の就任から2日後に記録した2025年の最高値84からはやや低下している。

MHCデジタルグループのグローバル市場・企業金融責任者エドワード・キャロル氏はコインテレグラフへのメモで、「中期的に需要の増加が価格上昇を牽引し、年末には16万ドル、2030年には100万ドルに達する可能性もある」と述べた。

一方、トレーダーのジェームズ・ウィン氏が仮想通貨プラットフォーム「ハイパーリクイディティ」で保有するビットコインロングポジションが、オンチェーン上で過去最大規模の証拠金取引となった。このポジションは40倍のレバレッジがかかっており、建値は10万8065ドル。未実現利益は2000万ドルに達している。

ただし、ビットコインの価格が10万3800ドルまで下落した場合には、強制ロスカット（清算）される見通しだ。

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