サークル（Circle）、XRP Ledger上でUSDCをローンチ

USDC、XRP Ledgerで利用可能に

ステーブルコイン「 USDC 」の発行元である Circle （サークル）社は2025年6月12日（木曜日）、 XRPL （XRP Ledger）上でUSDCをローンチしたと発表した。

これにより、ブリッジを介さずにUSDCをネイティブで利用できるようになり、開発者や企業はXRPL上で高速かつセキュアな決済や送金、資産管理にUSDCを直接活用可能となる。想定されるユースケースは、決済、トレード、報酬支払い、オン・オフランプ、寄付など多岐にわたる。

今回の統合により、Circle MintおよびCircle APIを通じてXRPL上のUSDCが完全サポートされ、企業や開発者はシームレスなUSDCの発行・償還、国際送金、DeFiへの活用が可能となった。

USDC is now live on the XRP Ledger ( @RippleXDev )!

With the launch of native @USDC on the XRPL, developers, institutions, and users gain the support of the world’s largest regulated stablecoin.

✅ Enterprise B2B payments: Use USDC for global money movement and improve capital… pic.twitter.com/WjXr7ui2Kp

— Circle (@circle) June 12, 2025

軽量・高速なXRPLがUSDCの展開を後押し

XRPLは、 リップル （Ripple）社が開発する分散型台帳で、高速な取引処理と低コストを特長とする。

Circleは、同台帳がスケーラブルかつカーボン・ニュートラルなネットワークである点を評価し、USDC展開に最適な環境と見なしている。RippleXのシニアバイスプレジデント、マーカス・インファンガー（Markus Infanger）氏は次のように述べている。

ステーブルコインは、伝統的な金融市場と仮想通貨市場をつなぐ重要なエントリーポイントです。USDCのような規制対象のステーブルコインがXRPLに上場することで、台帳の持つコンプライアンス対応、トークン化、低コスト決済、シームレスなオン/オフランプ機能を活用した新たなユースケースが実現するでしょう。

今回の統合は、グローバルな送金インフラの高速化、DeFi（分散型金融）における流動性供給、ウォレットやフィンテックアプリによるリアルタイム決済など、実用的な活用を後押しするものと見られる。

ネイティブ統合はXRPLで初

USDCがXRPLにネイティブ統合されるのは今回が初めてであり、これまでXRPL上に存在していたUSDCはすべてブリッジ資産だった。Circleは今回の統合に伴い、XRPL上でのUSDCを唯一の公式サポート対象として明示している。

今回の対応により、USDCが利用可能なブロックチェーンは22へと大幅に拡大。すでにイーサリアム（Ethereum/ETH）、ソラナ（Solana/SOL）、アバランチ（Avalanche/AVAX）、ポリゴン（Polygon/POL）、アービトラム（Arbitrum/ARB）などの主要ネットワークでサポートされており、今回の統合はCircleのマルチチェーン戦略を一層強化する動きといえる。

CircleはIPO（新規株式公開）後、ステーブルコインの普及に注力しており、特にグローバル決済や企業向け金融インフラの整備を進めている。今回の対応もその一環であり、XRPLの特性を活かした新たなユースケース創出が期待される。

USDCは現在、Tether（USDT）に次ぐ世界第2位のステーブルコインとして広く利用されており、流通量も安定して高水準を維持している。リップルは2030年までに、世界のSWIFT流動性の14%を掌握するという長期目標を掲げており、今回の統合はその達成に向けた重要なステップとされる。Circleのグローバルユーザーベースを取り込むことで、XRPLのエコシステム拡大にもつながると見られる。