米議会下院は8月の休会に入る前に3つの仮想通貨関連法案を可決した。
17日の下院本会議で、議員たちは仮想通貨の市場構造確立を目的とした「デジタル資産市場の明確化法（CLARITY法）」を294対134で、ステーブルコインの規制に関する「GENIUS法」を308対122で、それぞれ可決した。また、中央銀行デジタル通貨（CBDC）による監視国家化を防ぐことを目的とする「反CBDC監視国家法案」は219対210で可決された。
CLARITY法には約80名の民主党議員が、GENIUS法には100名以上の民主党議員が賛成票を投じている。
共和党は今週を「仮想通貨ウィーク」と位置づけ、全議員に3法案への賛成を呼びかけていた。これはトランプ米大統領が仮想通貨政策を迅速に推進する意向を表明していることを受けたものである。ただし、水曜日には3法案を含む一括パッケージの審議が一部の共和党議員の反対によって数時間にわたり停滞した。彼らはCBDC開発の禁止を明確に盛り込む修正を求めたためだ。
業界は法案可決を評価
仮想通貨業界関係者の多くは、3法案の可決を「業界にとっての勝利」と評価している。ただし、民主党からの支持が最も少なかった反CBDC法案は、今後も党派間の対立を招く可能性がある。
米商品先物取引委員会（CFTC）の元委員で、現在はブロックチェーン協会のCEOを務めるサマー・マーシンガー氏は、反CBDC法案への投票結果について「プライバシー、市場競争、個人の金融自由に対する支持を示すもの」と述べた。
これに先立ち、カリフォルニア州選出のマキシン・ウォーターズ下院議員は、民主党全体に対し3法案への反対を呼びかけていた。ウォーターズ氏は共和党の「仮想通貨ウィーク」に対抗し、「反仮想通貨汚職ウィーク」と題した記者会見を開催。トランプ政権による汚職の可能性を警告する声明も 発表していた 。
ウォーターズ氏は木曜日の審議で次のように主張している。「これら共和党の仮想通貨法案は、革イノベーションという名の下に、連邦金融法に巨大な抜け穴を生み出し、消費者と投資家を危険にさらすものである。このような法案は、2008年のように数兆ドルの資産が失われた金融危機の再発を招く恐れがある。」
報道によると、トランプ大統領は、6月に上院を通過したGENIUS法案が修正されなければ、金曜日までに署名する意向を示している。CLARITY法案および反CBDC法案は、今後上院での審議と修正を経て、再び下院または大統領の署名に回される見通しとなっている。
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