TrustWalletが利益を上げ、Solanaを追加、10億ユーザーを目指す

TrustWalletのCEOであるEowyn Chenは、Token2049 Singaporeのメインイベント会場でインタビューに応じました。彼女は、世界中で数百万人のアクティブユーザーを持つ暗号業界で最も利用されているウォレットの一つを率いています。彼女のビジョンは、暗号ネイティブユーザーを超えて、PayPalやRevolutのような従来のフィンテック大手と競争することにまで及んでいます。

Chenは、TrustWalletが年間で8桁ドルの損失を出していた状況から、2024年には8桁ドルの利益を達成するまでの変革について語りました。彼女は、Trust Moonアクセラレーター、高度なセキュリティ対策、戦略的なブロックチェーン統合など、野心的な計画についても言及しました。さらに、TrustWalletが近日中にSolanaサポートを開始することを独占的に明かしました。これは非EVMチェーンで初となるアカウントアブストラクション機能です。

TrustWalletは最近、2030年までに10億人のユーザーをオンボードするという大胆な新ロードマップを発表しました。この目標を達成するための中核的な戦略やプロダクトについて詳しく教えていただけますか？

この目標を達成するための中核は、より大きな課題に取り組むことです。今後5年から10年の間、私たちは暗号業界だけでなく、FinTech業界とも競争していきます。つまり、もはやMetaMaskやPhantomを競合とは見なしておらず、PayPalやRevolutを見据えています。それが、私たちが暗号リテールプロダクトとして進むべき次の領域です。そのような競争と領域に参入すれば、10億ユーザー規模の競争とチャンスが生まれます。

Trust Moon Web3アクセラレーターがBinanceのYZi LabsやAWSと提携してローンチされましたが、TrustWalletはどのようにして新たな開発者やエコシステムのイノベーションを促進する計画ですか？また、パートナーシップはこの戦略においてどのような役割を果たしますか？

パートナーシップは非常に重要です。YZi Labs、Binance、Plasm Chain、さまざまなチェーンのエコシステムパートナー、そしてAWSなど、すべてのパートナーがプロジェクトにさまざまな形でサービスを提供しています。AWSはクラウドやデータベースの面でサービスを提供していますが、ウォレットとして私たちはプロジェクトがプロダクトマーケットフィットやコミュニティの受け入れをユーザーとともにテストするためのラストマイルを担っています。「子供を育てるには村が必要」と言われますが、私たちは暗号業界の村を作り、プロジェクトがより良く成長できるように支援しています。TrustWalletとしては、ラストマイルのユーザー向けガイダンスやプラットフォーム、つまりプロジェクトがショーを行えるショールームを提供しています。TrustWalletアクセラレーターのパートナーシップ拡大を追求しています。

TrustWalletの最近のセキュリティアップグレード、例えば高度な詐欺検出やトランザクションフィルターは、ウォレット保護の新たな基準を打ち立てました。これらの対策はどのような影響を与え、セキュリティはプロダクトビジョンにどのように影響していますか？

セキュリティは常に基盤です。セキュリティが破られると、人々は痛みを感じて離れていきます。重要なのは、ユーザーを教育し、正しい判断を促すことです。ユーザーが自分の行動を理解し、詐欺やハッキングに巻き込まれないようにすることが大切です。これまでに約4億6,000万トークンが詐欺師に送られるのを防ぎました。多くの人は、失われた資金の大半が詐欺によるものであることを知りません。ですので、誰もが簡単に理解できる形で、より安全に意識を持てるよう支援することが重要です。例えば、クリアサイニングでは、ユーザーが何とやり取りしているのかを理解できるようにしています。Aに送信し、無制限のアクセスを与えていることが分かれば、ユーザーは情報に基づいた判断ができます。トークンページでは、セキュリティプロバイダーが集中度やコントラクトの問題に関して、リスクを緑・オレンジ・赤で表示しています。

TrustWalletは現在、100以上のブロックチェーンをサポートしており、多くの非EVMチェーンも含まれています。ブロックチェーン統合へのアプローチはどのように進化し、このようなマルチチェーン環境で幅と深さのバランスをどのように取っていますか？

以前は、より広範な戦略を取っていました。新しいチェーンが登場するたびに統合していました。これは2019年から2023年までの前提でした。しかし、今は違います。新しいチェーンが次の汎用EthereumやSolanaになるのは難しくなっています。彼らはより早い段階でプロダクトマーケットフィット戦略を見つけ、ニッチを目指す必要があります。100チェーンと統合した経験から、90チェーンはトラクションがなく、消えていきました。今は「できるだけ多く」ではなくなりました。最終的にユーザーの関心を引き、成功の可能性が高いと考えるものを選択し始めています。

TrustWalletのビジネスは劇的に変化しました。2022年から2023年にかけて大きな損失を出していたのが、2024年には8桁ドルの利益を上げました。この転換をどのように実現し、TrustWalletの将来にとって何を意味しますか？

私が2022年に参加した当初、年間で8桁ドルの損失を出していました。戦略はユーザー成長一辺倒で、とにかく大きく成長しようとしていました。しかし、ビジネスとしては「スポンサーが資金を出してくれるから、もっと大きくなってティーンエイジャーになろう」という感じでした。子供を育てるように、ティーンエイジャーになったら自立し、より良い判断をし、生き残る方法を教えます。2022年から2023年の間は、ティーンエイジャーから自立に向けてどう移行するかが課題でした。2024年にはUSDベースで8桁ドルの利益を上げました。そのため、TrustWalletはBinance BNB Chainエコシステムの優れたプレイヤーであると自信を持って言えます。

2025年6月、TrustWalletはOndo Financeとの提携により、トークン化された米国株とETF取引を導入しました。これは多機能なオールインワンクリプトウォレットプラットフォームというビジョンにどのように合致し、これまでの実験から何を学びましたか？

この仮説は非常にシンプルです。最終的にブロックチェーンが金融インフラになるのであれば、最初が暗号資産か伝統的な金融資産かは関係ありません。価値があるなら、ブロックチェーンインフラを使ってより効率的・効果的・アクセスしやすくできるかどうかです。TrustWalletというプラットフォームが最前線で人々に新しい機会を提供し、プロジェクトがプロダクトマーケットフィットを試せるようにしたいと考えています。

最近、新たなロードマップを発表し、TWTが重要な役割を果たすことになりました。MetaMaskやRabbyのような競合が独自トークンを導入する中、ウォレットトークンに対するビジョンを教えてください。

2週間前に新しいロードマップを発表し、TWTがすべての機能を結びつける重要な役割を果たします。その翌日、Joe LubinがMetaMaskのトークンについてリークし、RabbyもQ4にトークンを発行すると示唆しました。私たちは新しいウォレット時代を始め、異なるトークンでリードする可能性があります。従来、ウォレットはツールとして見られており、分散型フロントエンドプロダクトで効果的なトークノミクスを実現できる業界は多くありません。Web2のロイヤルティリワードプログラムとWeb3のステークホルダーの利益をどのように融合できるかを実験するのは興味深いことです。まもなくSolanaをサポートし、非EVMチェーンで初となるアカウントアブストラクション機能を提供します。