アークCEO、2030年BTC予測を150万ドルから120万ドルに修正

アーク・インベストのキャシー・ウッドCEOは6日、2030年のビットコイン（BTC）価格予測を従来の150万ドルから120万ドルへ下方修正した。

米CNBCの番組「スクワーク・ボックス」に出演した同氏は、ステーブルコインの普及がビットコインが担う役割の一部を奪っていると説明。

修正後も120万ドルという予測は現在価格から約1100%の上昇を見込む強気な見方であり、ビットコインのポテンシャルについては確信を維持している。

ステーブルコインの台頭が予測に影響

ウッド氏は、 ステーブルコイン が新興国市場において決済や送金のためのデジタルドルとして機能する事例が増えていることを指摘した。

同氏は当初、これらの機能を暗号資産（仮想通貨）ビットコインが担うと予想していたが、実際にはステーブルコインが予想を上回るスピードで拡大している。

ステーブルコイン市場の時価総額は現在、過去最高の3060億ドルに達している。

2020年11月2日時点では210億ドルだったことから、5年間で約1350%成長した。

この成長率はビットコインの同期間630%を2.14倍上回っている。

ウッド氏は「ステーブルコインは、我々がビットコインが果たすと考えていた役割の一部を奪っている。強気ケースから約30万ドルを引き下げられる」と述べた。

デジタルゴールドとしての地位は不変

予測を修正したものの、ウッド氏はビットコインの長期的な価値提案について強気な見方を維持している。

同氏は、ビットコインが取引通貨としてよりもグローバルな価値の保存手段としての機能を強化しており、デジタルゴールドとしての役割は揺らいでいないと分析した。

アーク・インベストが更新した 2030年までのビットコイン価格予測 は、強気ケースが120万ドル、基本ケースが60万ドル、弱気ケースが50万ドルとなっている。

ウッド氏は「ビットコインはテクノロジーであり、グローバルな金融システムであり、新しい資産クラスでもある」と語り、その将来性に依然として強い確信を示した。

市場の成熟と変化する力学

今回の予測修正は、 テザー（USDT） といったステーブルコインの急速な成長を反映している。

特に金融システムが未発達な地域で、これらのステーブルコインが決済や貯蓄の手段として急速に普及したことが大きい。

グーグルは9月、コインベースとの提携により60以上の主要組織と共にステーブルコイン対応のAI決済プラットフォームを立ち上げた。

クラウドフレアもAIエージェントが自動取引を行うためのドル裏付けステーブルコイン「NETドル」を発表している。

ウッド氏は、ビットコインとステーブルコインは成熟しつつあるデジタル経済の中でそれぞれ異なる補完的な役割を果たし、共存できるとの見解を表明した。